次郎笈
あまりにも青空が素晴らしかったので、山へ行きました。
お気に入りの山、“次郎笈(じろうぎゅう)”へ。
次郎笈は、剣山から尾根筋につながった山です。
多くの百名山目的の登山客は剣山へと行き、次郎笈はというと、山のベテランといった雰囲気の人たちがちらちらと登ってくるだけです。
わたしはこの次郎笈への道が、大好きなのです。
登山口からロープウェイの終着駅の西島までは、樹林帯を約1時間ほど歩いて登るのですが、そこから剣山の北西斜面のトラバース道を行き、次郎笈へと続く尾根筋に出ます。
そして最後に、尾根から一気に登る大きな石混じりの急な道を登りきれば、次郎笈の頂です。
次郎笈の山頂から見渡せる風景も絶景なのですが、この行程の中のトラバース道と、尾根も素晴らしくよいのです。
剣山は石灰岩が多く含まれた山のようで、道に露出している岩や崩れてできた石が太陽の光を受けて白く輝き、道を明るくしてくれています。
そしてトラバース道を歩いている間ずっと、北西から西・南の方角へと剣山系の山々が見渡せるのです。
なんとも美しい景色です。
小さな四国ですが、山の深さを感じられます。
すると「ケーン」という鳴き声が、山々に反響しながら聞こえてきました。
鹿でしょう。
ひょっとするとニホンカモシカかも、と淡い期待をもちつつ山肌に鹿のかげを探してみます。
ですが、山は静まり返っていました。
きっと、谷の深いところでいるのでしょう。
足元の苔や草花や虫、樹木や立ち枯れをした木、そして空を眺めながらぽくぽくと歩きます。
いつもですと、休憩を入れつつのんびり歩いても、次郎笈の頂上までの往復を4時間ほどで歩くのですが、この度は気がつけば6時間も山の中にいました。
一日中ニコニコと笑顔な、楽しい秋の日でした。
尾根筋から剣山を望む。
※1枚目の写真は、尾根筋から次郎笈を見たところです。
紅葉を期待していったのですが、この時はまだ少し早かったようです。
山道の脇に、リンドウがたくさん咲いていました。でも、何リンドウなのでしょう?
空のスカイブルーと、紅葉した葉の赤からオレンジへと移るグラデーションが、美しく調和をしていました。