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2010年11月 3日 (水)

フェアアイルの色の世界

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テン・オールドのホームページで、11月号にアップした『skipper』の帽子です。

この作品を編んでいた時にも特に思ったのですが、フェアアイルの色の世界はおもしろいですね。

フェアアイルは、ベースになる色があり、その隣に柄を表現する色があります。

といっても、ベース色と柄の色の2色で成り立っているのではありません。

ベース色でも隣り合う色たち、柄の色でも隣り合う色たちと、4色、6色がお互いを足したり引いたりとして、1枚の色柄模様として表現されます。

『skipper』は、その色のお互いの関係を淡い雰囲気にしようと思い、色を設計しました。

淡いといっても、“色が薄い(淡い)”とかではなく、あくまでも雰囲気です。

ですから使っている色は、オレンジ、黄色、ブルーと、はっきりとした色を使っているのに、シックで落ち着いたイメージを持った作品に仕上がっています。

それは、メランジ色(数色が混合した)のベースに、メランジ色の色で柄を表現しているからです。

このような色を組み合わせると、隣同士の色が馴染んで、淡い印象になります。

この作品はそのメランジ色を利用し、ノスタルジックでスモーキーなイメージの効果が出た作品といえるのでしょう。

でも時には、逆の効果を狙いたいときもあります。

柄の一つ一つをハッキリさせて、クラシックで素朴な感じを表現したいとき、またはポップで可愛らしいイメージの作品を作りたいときです。

これが意外と、とっても難しいのです。

はっきりとしたベース色に、はっきりとした色をのせると、ケンカが始まることが多くあります。

上で話したように、それが4色、6色となると、その上手く収まる色の組み合わせと、分量を探る作業は、とてつもなく大変となってきます。

テン・オールドの作品の中でも特にその難しさを感じ、時間がかかったのが『ピクニック』です。

この作品のデザインを考えるときは、本当に苦労しました。

時間にして、1週間・・・10日?は頭を抱えていたように覚えています。

使いたい色はあるけど、組み合わせるとどこかおかしい・・・。

じゃあこの色では、と編んではほどき・・・、編んではほどき・・・、と延々繰り返していました。

色の中にある微妙な色味、マゼンダ、シアン、イエローなど、その色の中に強く含んで潜んでいた色味が、色が隣りあった時にふっと出てくるのです。

毛糸は絵の具のように、色を混ぜて作ることは出来ません。

そこにある色をいろいろと組み合わせてみて、狙うところを探っていかなくてはならないのです。

上手くいかないとき、その作業はこれだっと心が落ち着くまで果てし無く続きます。

そうして、出来上がったのが『ピクニック』なのです。

でも、苦労も楽し。

出来上がったときは、本当にうれしかったです。

と今日は、ここまで。

一つ一つの色が持つ色味について、色と柄の組み合わせによる効果については、また今度書いてみようと思います。

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