ひじの修繕

ひじの穴あきの修繕依頼に、『skipper』のフェアアイルが届きました。
このセーターは、個展で展示したオリジナル作品です。
なので、もう何年前にご購入いただいたことになるのでしょう・・・。
ほんとうにやわらかく育ったフェアアイルから、
着ている方の相棒となっているのがすぐにわかりました。
さっそく、ひじの穴あきを検証。
そこだけ繕うには、少々大きな穴・・・。
穴を中心に直径5㎝の範囲で、毛糸も細く痩せていました。
さて、こんなケースはどう修繕をしよう・・・。
小さく一模様だけ編んで、はぎ合わせようかしら。
でも、つなぎ目が美しくないし、分厚くゴロゴロとしてしまうし・・・。
などと試しに編んでみたり少しづつ作業を進めながら、ぶつぶつ・・・・・。
結果、選んだ方法はこうでした。

穴が開いている一模様だけを袖から取り外し、
新たに編んで、袖先をはぎ合わせるという方法です。
今、フェアアイルを一生懸命に編んでいる人が見たら、ショッキングな写真ですよね♪
でも、穴が開いているところをちまちまと直すより、大鉈を振るう直し方の方がいいこともあります。
もちろん、この方法が適さない柄模様もありますし、気をつけなくてはいけないこともたくさん。
そうして修繕が完了した写真が・・・

ねっ、作戦成功って感じでしょ♪
とは言うものの、違和感なく編めて、きれいにはぎ合わせられるか、内心はドキドキとしていました。
上手くいってよかった。
細い帯のようなのが、袖から取り外した部分です。
このように、フェアアイルの柄の特徴や構成がわかっていると、いろいろなことに臨機応変に対応することができますね。
なんてこと言っていますが、このようにご依頼を頂戴することで、創意工夫をする機会を持つことができ、たくさん考え悩みながら宝物のような経験をさせてもらっています。
感謝ばかりです。
『skipper』は、持ち主のところへ帰りました。
もうじき寒くなるころ。
また、相棒としてガシガシと愛用してください。
そしてまた!修繕をさせていただきます!
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