さぁ!
今回はどんな工夫をしましょうか🎵
今までの経験と、今の腕が試される(大袈裟)修繕です。

『赤のフェア島』のセーターは、後ろ身頃の肩辺りに穴が。
このくらい小さな穴であれば、刺繍をするように穴をふさぎましょう。
2本のとじ針それぞれに、赤の毛糸と、グレーの毛糸を通し、柄を復元しながら🎵
そして、衿ぐりのゴム編みを編み直しましょう。

『skipper』は、胸元まで開きがあるスリット仕立て。
その前立てのゴム編みの、ボタンホール部分の糸が切れていました。
これはもうゴム編みを外し、編み直すのが一番早いです。
胸元は一番目立つところなので、この部分のゴム編みが新しくなると、また立派なフェアアイルセーターに🎵
そして、裾のゴム編み、袖口のゴム編みを編み直して・・・
最後に、今回の修繕の一番の難関!
前身頃の腹部分の穴・・・といいますか、
穴だけだったらいいのですが、よーく見ると左右の広範囲の編地が薄くなっています。
このような状態では、『赤のフェア島』のようにいま開いているところの穴だけをとじても、すぐにまた付近のいろんな箇所で穴が開くでしょう・・・。
ということで・・・

いろいろと考え抜いた末、このような修繕方法にしました。
編地が薄くなっている部分を大きく長方形に抜き取り、その部分の下部の段から目をひろって、模様を編み込みながら新しい編地にする。
そして、両端にある房状の糸端を始末し、長方形の穴の上部と、新しく編んだ編地をはぎ合わせる。
文章に書くと2行・・・。
でも、作業している間ずっと「上手くいくかなぁ・・・~」と緊張が続きました。
だって!もう大きな長方形の穴をあけてしまっているのですから。

今回とった方法は、修繕の箇所をさわると、傷跡がはっきとわかります。
編み直した編地の左右の、糸端を始末をしたところが、ちょっと厚くゴロゴロとしていて、
箇所によっては引き攣っているように感じたりもします。
修繕方法を考えているとき、編む分量は多いけど、一番すっきりときれいに出来上がる方法も思いついていました。
その方法で修繕をすると、きっと、まるで新品のようになるでしょう・・・。
でも深く考えていくごとに、「それでいいのかな・・」という思いがしてきました。
「新品のように修繕をしてしまうと、このセーターが、持ち主の方と過ごした歴史がみえなくなってしまうのでは・・」と。
ちょっと不格好な修繕跡も、愛おしいものです。・・・と、わたしは感じているのですが・・・
そして、セーターと持ち主の方との思い出となります。
ということで、

『skipper』は、このように直りました🎵
それではまた、持ち主の方のところへいってらっしゃい!